バラの美術館 ROSEUM ロージアム

バラと私

桂由美

 

第2回恋人の聖地スペシャル ローズウエディング2014開催〜12本のバラの結婚式〜
(2014年6月12日/京成バラ園)が開催されました。結婚式の内容と、講演後の桂由美氏に直接インタビューをしたお話をまとめてご紹介します。

 

京成バラ園ローズガーデンもそのひとつとして認証されている「恋人の聖地」。「恋人の聖地」とは、全国の観光地域の中からプロポーズにふさわしいとして選ばれたロマンティックなスポットのことで、この「恋人の聖地」プロジェクトの選定委員である、ブライダルマザー・桂由美さんをゲストに迎え行われたローズウエディングが今年6月12日、京成バラ園にて開催されました。
この日、桂由美さんが提案するウェディングスタイルのひとつでもある“ダズンローズウエディング”が行われました。新郎が入場する際に招待客からバラを1本1本受け取り、その束ねた12本(1ダース)のバラをブーケにして新婦へ贈り、招待客の前でプロポーズするのです。バラにはそれぞれ結婚生活に不可欠な12の言葉「感謝・誠実・幸福・信頼・希望・愛情・情熱・真実・尊敬・栄光・努力・永遠」という意味が込められており、バラを贈られた新婦はプロポーズに承諾する意味で12本のうち新郎に贈りたい言葉のバラをブートニアとして挿すのですが、この日の花嫁は感謝のバラを贈りました。その光景を目にして涙を流すゲストもいるほど、とても感動的な雰囲気に会場は包まれました。

 

桂由美氏
桂由美氏

12本のバラをテーマにした結婚式を広めてブーケの本当の意味を知ってもらいたい。
花嫁さんが必ずブーケを持つといういわれをご存知でしょうか。色彩やウエディングドレスのアクセサリーと思われがちですが、本来は男性が女性に花束を贈るということは求愛表現のひとつなのです。日本では若い女性を訪ねる際にスイーツを持っていくことが多いですが、花を贈るのが一番だと思います。パリやローマを歩いていると、街中で若い男性がブーケを持っている姿をよく目にします。でも、東京でその姿を見ることはほとんどありません。もう少し花を贈ることが広がると街角のシーンももっとロマンティックになると思います。花を贈ることのクライマックスは結婚式の朝。今ではほとんど花屋さんや美容師さんがブーケの準備をしますが、本来ならば花婿が花嫁に「僕のお嫁さんになってくれるよね」という意味を込めてブーケを準備し、受け取った花嫁は“YES”と答える代りに、花を一輪抜いて花婿の胸元のボタンホールに挿すのです。

 

―バラの魅力に気が付かれたのは、いつごろでしょうか。

バラは花の女王ですよね。あらゆる花の中で“気品”・“優雅さ”・“ロマンティックな情緒”の3つを備えている花です。日本初のブライダル専門店を開いて来年で50周年を迎えますが、私はこの50年間ずっとバラ愛し、バラの刺しゅう・バラのレース・バラのプリントなど、バラをモチーフにしたウエディングドレスを作るなど、バラに携わりながら仕事をしてきました。バラの花言葉は“美と愛”。ブライダルにぴったりなんですね。

 

―桂由美先生のバラ“ローズユミ”について、感想をお聞かせください。
京成バラ園が新種を発表したとき、花嫁をイメージした白いバラということで、ブライダルの象徴だという私の名前を付けて“ローズユミ”と命名してくださりとても嬉しく思いました。その年は“ローズユミ”をテーマにして色々なことにチャレンジしました。バラを愛した歴史上の12人の女性、例えば聖母マリア・クレオパトラなどをイメージしてデザインもしました。また、“ローズユミ”をモチーフに、3000枚程の花弁モチーフをつなぎあわせたビックトレーンの白いウエディングドレスを作り、そのトレーンをテグスでつりあげ、まるで、くじゃくが羽を広げるかのように演出して、ショーのフィナーレを飾ったりしました。

 

―その他に好きな(或は思い出のある)バラがあればお教え下さい。

仮屋崎省吾さんのバラ「ショウゴエレガン」。私も、よくあのような2色ぼかしのデザインをするんです。
昨年末の紅白歌合戦の時に水森かおりさんの衣裳を手がけましたが、そのドレスも薄いクリーム色がベースになったグリーンのぼかしでした。「ショウゴエレガン」はピンクと薄い黄緑でとってもいいですよね。

 

―今後、どのようなバラが出来たら素敵だと思いますか。

2色ぼかしのバラがもっと欲しいですね。色々なカラーで作られた、ピンクと紫だとかもいいですね。
以前に、サントリーさんが発表した青いバラも素敵でした。昔からずっと、青いバラがあったらいいな、と思っていたので、とうとう出来たと聞いたときは跳び上がるほど嬉しくなりました。ドイツでもフランスでもなく、日本の会社が最初に発表したということは本当にすごいことだと思います。その時は『ブルー・ローズ・センセーション』というタイトルでパリコレを企画したくらいです。サントリーさんに、パリコレの会場にぜひ飾らせて欲しいと直接お電話し実現したのです。ですが会場で直接見てみたら、鮮やかな青というよりはまだ少しグレーがかった青色で・・・。徐々にグレーが抜けた青色のバラが出来ているようなので、期待しつつ、早く華やかな青いバラを見てみたいと思っています。

 

桂由美さんと話していると自分も早く結婚式がしたいと思ってしまうほど、ウエディングに対する熱い思いが伝わってきました。半世紀に渡って常にウエディング業界をリードし続ける桂由美さん。桂由美さんの作り出したウエディングドレスはこれからも多くの女性を魅了していくことでしょう。

(大橋香保里)

プロフィール

桂(かつら) 由美(ゆみ)

株式会社 ユミカツラインターナショナル 社長
一般社団法人 全日本ブライダル協会 会長
公益財団法人日本生涯学習協議会 会長
千葉商科大学特命教授
アジア・クチュール協会 創立メンバー

東京生まれ 
共立女子大学卒業後、フランスへ留学。
1964年日本初のブライダルファッションデザイナーとして活動開始。

日本のブライダルファッション界の第一人者であり、草分け的存在。
美しいブライダルシーンの創造者として国内外を問わず22カ国以上の各国首都でショーを行い、また世界各地でブライダルイベントを通じてウエディングに夢を与え続け、ブライダルの伝道師とも言われています。

パリカンボン通りシャネル本店前のパリ直営店をはじめ、アメリカ・カナダ・中国等各国に展開。毎年1月にパリにてクチュールコレクションを発表する日本随一のオートクチュールデザイナーでもあります。

アコヤ真珠13,262個を刺繍した桂由美デザインのウエディングドレスは、「世界最多の真珠を付けたウエディングドレス」として、2012年にギネス・ワールドレコードに正式に登録されています。

また、本年10月14日に創立されたアジア・オートクチュール協会の創立メンバーにコシノジュンコ氏と共に選ばれました。

毎年2月に東京グランドコレクションを開催。
多くの芸能人やセレブの婚礼衣装をデザインし、また「桂由美MAGIC」(集英社)・「出会いとチャンスの軌跡」(カナリア書房)など多くの著書も執筆しています。

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